2024/07/20 23:13

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そうしてまた
自分という存在が如何に小っぽけであるのかという再認識をする
あらゆる世界線が人の数だけ交錯していてそのどれも平行線ではない
その中の一つである僕が紡ぐ世界は見るに堪えないほど矮小で質素なものだった
どの世界にも相容れない気がしてならない
これは悲観ではなく汚れた靴で踏み入ってはいけないなという謙遜である
もうこうなってくると
それなら意地でも自分という世界を確立させて揺るぎない価値を与えてやる他ないじゃないかと
そう強く燃ゆるのです。
虐げられ,淘汰され,無碍に,ぞんざいに扱われたこれまでの命を
もう自分の手でどうにか報いてやろうと切実に誓うほかないのです。
そうしてまた
亡霊のように椅子へ腰かけ
呪いをかけたこの体を傀儡の如く操り
美しい夢を夢みて
ただ,ひたすらに手を動かします。