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2024/04/15 23:29


4/13,14と開催された春の静岡手創り市。


我々のような手仕事を生業としている作家にとっては夢の大きな舞台だと思っています。


2023年に入ってからイベント出展を始め、様々な運営が主催するイベントに参加していましたが今回が間違いなく過去最大の晴れ舞台でした。


何より感動したのは出展者にとても優しい運営構成。

シンプルで必要最低限の注意事項、分かりづらかったかな?と思われる部分は再度メールが送られてきたり、それと夜間警備。(一晩中歩き廻る)

そしてスタッフ一人一人の熱の量に心洗われました。

誰も手を抜かず、笑顔でハキハキと気持ちのよいやり取りが出来ました。

これを見ているスタッフさん、改めてありがとうございました。


これからは裏話?を。


東京の自宅から会場まで下道約5時間、途中寄りたいところへ行ってみたり、のんびり歌いながら向かっていました、フロントガラスに舞う桜がなにやら歓迎してくれているようで爽やかな気持ちでした。


夕方頃静岡へ着いたのですがせっかく海沿いに来たからと思い日が沈み切るまでひたすら海岸を歩いて拾い物をしていました、しかし今回は浜辺が綺麗にされている所で収穫はほとんど無し。

ひとつだけ什器に良さそうな半分に割れた丸太のような物があったのでそいつを即席でブース内に組み込みました、こういう事前に作り込まずにその場のアドリブでどうにかするのが本当の表現、ライブだよなとか変なことを考えながら並べていました。


静岡市も旅で訪れた以来だったので少し思い出巡りをしつつ、もう4年経ったんだな、あの時も桜が咲いていたなとか思い出して懐かしんでいました。


そして夜、本当は2日とも車中泊しようと思っていました。

金が無いのはそうなんですがそれ以上に誰もいない海辺で寝るのが好きなんです。

ですがやっぱり普通に寝よう!ということで会場近くのネカフェへ。

一年くらい野宿していた僕にとっては豪華なホテルです。


そんでもって迎えたイベント当日、誰も知り合いがおらず緊張しながら、そして憧れの作家さんが目の前で設営しているなか朝5時からブース作り。

初日は自然に馴染みすぎていたので2日目は布を使って店っぽくしてみたり。


本当はゆっくり各ブースを廻ったり、いつも拝見している作家さんとお話しもしたかったのですがそんな時間を取れるはずもなく…

ただ、斜め向かいには僕が革を本格的に扱い始めた頃に一番影響を受けたスカンクとアルマジロさんがいらっしゃったことで自分のブースを置きざりにして何度も話に行っちゃいました、いや仕方なし。

普段革ものは自分で作れるので買わないのですが、スカンクさんの作品だけは別、お迎えできて幸せこの上ないです。

そして目の前のブースには鈴木友紀さんが。

鈴木さんの作風は僕が錫の鍛造を始めた頃に出会ったことで質感や表情をよく勉強させていただいていましたし、何より人としての在り方がものすごくカッコよくていつも是非お話ししたいなと思っていました。

今回で最後の出展となる鈴木さんの真ん前に立つことができ、僕はなんて幸せ者なんだと身が締まる思いでした。

最後に有難いお話しをいただけたり…

いつか形になれば物凄くいい作品が生まれるかと。


また他にも、前々から存じていた作り手の方々との初めての接触がまあ本当に嬉しく楽しく、ずっとテンションが上がりっぱなしでした。


遅くなりましたが肝心な僕のブースについては、まだまだ知ってくれている方も少ないはずなのに遠くからもお越しいただいた方々、初めて知ってくださり目を輝かせてくれた方々など、本番前の心配はどこへやら、本当にありがたい時を過ごすことが出来ました。


前日にギリギリ仕立てた鞄も多くご注文いただき安心致しました…

定番の革ものと呼べる品物がまだ少ないですし、他にも多くの素敵な革作家さんたちがいる中で僕の品を選んでくださるという出来事がまるで夢のようで。


僕も戦える。

他のベテラン方にも負けない位やれるぞ。

と自信がつきました、より燃えます。


今回の出展を通して見えたことがいくつかあって、その一つひとつをこれからの活動に落とし込んでいくつもりです。

そう時間はかからない、見えているのだから後はやるだけ。

やるかやらないかは自分次第、俺はやる、絶対負けない、自分に。


かなり長くなってしまいましたがここまで付き合ってくださりありがとうございます、これを読んでくださっている方はフォローして下さっている方のほんの数人かもしれませんがそこに意味があるかと。


意志を持ってここに辿り着き、連ねられた文章に目を通す、そして自分に落とし込む。


今まで僕がやってきたことです、そういうのが大事なんじゃないかと思ってますがどうでしょう。


答えが分かるのはどうせ未来。


明日訪れるかさえ分からない不確かな未来。

それでも信じて生き続ける、やり続ける。

あの日挫けてしまった過去の自分に報いる為に。


まだ物語は始まったばかり。